肛門科医のつぶやき

2019.04.14更新

シートン法とは

痔瘻の手術方法にシートン法という方法があります。痔瘻の瘻管に輪ゴムを通して少しずつ絞めていき、最終的に痔瘻を治していく方法です。
基本的には二次口、瘻管、そして原発巣、原発口を取り除く方法なので、通常の痔瘻根治術、例えば瘻管摘出術や瘻管開放術などと同じと考えていいと思います。

痔瘻根治術とシートン法の違い

痔瘻根治術の場合は、一期的に切除する方法ですが、シートン法は瘻管に通した輪ゴムを少しずつ絞めていき、時間をかけて痔瘻根治術をするというイメージです。
ただ、このシートン法を行う場合には、確実に原発口、原発巣そして瘻管に輪ゴムを通すことが必要です。

原発口、原発巣をしっかり処理することが重要

痔瘻を根本的に治すには、やはり、原発口、原発巣をしっかりと処理する必要があるからです。
輪ゴムが二次口から瘻管を通り、原発巣、原発口に通っていないと、痔瘻は完治しません。したがってシートン法を行う時は、原発口、原発巣をしっかりと見極めることが必要になります。
また、早く治そうとして、輪ゴムを強く縛ってしまうと痛みが強く出てしまいます。痛みが出ない程度に、ゆっくりゆっくりと絞めていくことが大事です。

シートン法で痛みが出る場合

時々、痔瘻に対して輪ゴムによるシートン法を受けた患者さんで、痛みが強くてつらいと、受診される患者さんがいます。そういった場合の多くが、輪ゴムを強く絞められた患者さんです。そういった場合には、輪ゴムを入れ替えて、ゆっくりと、ゆるめに絞めていくか、二次口から原発口まで輪ゴムがかかっているので、この時点で一期的に痔瘻根治術をしてしまうなどの方法があります。

シートン法は麻酔が必要か?

一番初めに輪ゴムを通す際には麻酔が必要です。渡邉医院で行う時は、局所麻酔で行っています。ただ、いったん輪ゴムを通した後は、時々新しい輪ゴムに替えていくのですが、その際は麻酔をしなくても交換することが出来ます。

シートン法はゆっくりゆっくり

シートン法を行う時は、ゆっくりゆっくり、痛みが出ないように輪ゴムを絞めていき、時々新しい輪ゴムに交換しながら、2~3か月かけて治していきます。
深い痔瘻などの場合は半年ほどかけながら治していくこともあります。ですから、患者さんには、「肛門に輪ゴムのピアスをしている感じです。」と話しています。このようにシートン法は時間をかけて治していく方法です。シートン法のメリットは、輪ゴムを通すだけなので、痔瘻根治術のように大きな傷ができません。また痛みがないので、手術後から直ぐに日常の生活や仕事ができることです。痔瘻根治術を行った場合も、皆さんが想像しているのとは違い、痛みは楽です。シートン法はそれ以上に痛みに関しては楽に治していくことが出来ます。
また、シートン法は輪ゴムを通すだけなので、手術の際の侵襲、体に与えるダメージが少なくて済みます。そのため、基礎疾患に潰瘍性大腸炎やクローン病などを持っている患者さんが痔瘻になった場合、通常通りに痔瘻根治術を施行した場合、傷の治りが悪かったり、場合によっては直りだけでなく、傷そのものが悪くなったりします。また基礎にある潰瘍性大腸炎やクローン病が悪化することがあります。こういった患者さんには侵襲の少ないシートン法を用いることがあります。このように、患者さんの基礎にある疾患や社会的な背景などを考えながらシートン法は行っていきます。

投稿者: 渡邉医院

TEL:075-441-4303