肛門科医のつぶやき

2017.08.20更新

 ジオンという痔核硬化剤が発売されて13年がたちます。ジオンが出てくるまでは、排便時に内痔核が外に飛び出て押し込まないと戻らない程度の内痔核に対しては、痔核根治術での手術で切除する方法しかありませんでした。

 ジオンによる四段階注射法での痔核硬化療法(ALTA療法とも言います。)でそういった内痔核を根治的に治すことができるようになったのは、画期的なことでした。痔核根治術と違って傷ができません。ですから通常だけでなく、排便時の痛みもなく、とても楽に治すことができます。

 ただ、痔核根治術と違って、オールマイティな万能な治療法でありません。ジオンが効いて治すことができる内痔核かどうかはしっかり診断する必要があります。

 いま、内痔核に対してはジオンによる痔核硬化療法を、そして外側の外痔核部分(肛門上皮の部分の腫脹を伴う内痔核)は切除するという併用療法がおこなわれるようになりました。なるほどなと思うところもありますが、ジオンの持つ一番のいいところは、「傷ができない。」、「傷をつくることなく内痔核を治すことができる。」です。

 そのジオンがもつ一番いいところを奪ってしまうのではないかと思っています。また、ジオンだけで治すことができる内痔核まで、併用療法になってしまっているのではと危惧します。やはり、手術して切除しなければならないところがあるのならば、しっかりと痔核根治術を行って治すことが一番ではないかと思います。併用療法はやはり、傷ができます。痛みを伴います。ジオンで治す、痔核根治術で治す。しっかりと内痔核の状態を判断して適応を決めていくことが大切ではないかと思います。

投稿者: 渡邉医院

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