入院が必要な治療

内痔核

肛門(出口から約2~3センチ奥まで)から直腸へ入った場所には、静脈が集まっています。この静脈の血流が悪くなってしまい、静脈瘤になってしまったものを内痔核とよびます。第Ⅰ~第Ⅳまでのレベルがあり、その進行に併せて治療が変わります。

第Ⅰ度(排便時に出血、おしりに違和感)
治療法……まずは外来での軟膏や坐薬を使い、出血量が多かったり出血頻度が高い場合は外来での痔核硬化療法(パオスクレ―)

第Ⅱ度(排便時に出血、内痔核の脱出があるが自然に戻る)
治療法……外来での痔核硬化療法(パオスクレ―)、入院での痔核硬化療法(ジオン)、大きさによっては外来・入院での輪ゴム結紮法

第Ⅲ度(排便時に出血、内痔核の脱出があり、押し込まないと戻らない)
治療法……入院での痔核硬化療法(ジオン)、入院での輪ゴム結紮法、入院での痔核根治術

第Ⅳ度(内痔核が常に脱出したまま)
治療法……入院での痔核硬化療法(ジオン)、入院での輪ゴム結紮法、入院での痔核根治術

痔核硬化療法

痔核硬化療法とは内痔核に直接硬化剤を注射し、硬化剤が内痔核を作っている痔核の血管を圧迫し出血を抑えて小さくしていく切らないで治療する方法です。内痔核のできる部分は痛みを感じない部分なので痛みはほとんどありません。

注射の種類にはパオスクレーとジオン注の2種類あり、専門の資格をもった医師が痔の進行具合によって治療していきます。 

 

パオスクレー

内痔核の根元の粘膜下にアーモンドオイルを注射し、止血をしながら痔核を小さくしていく治療法です。1か所の内痔核につき内痔核の上極の粘膜下に2.5ml注射します。週にこれを2回行い、十分効き目が出るように総量5ml以上注射します。注射の痛みはほとんど無く、出血の症状も早期に改善されます。Ⅱ度の内痔核でも脱出しなくなります。

ジオン注

四段階注射法という方法で局所麻酔をしてから4箇所(内痔核の根本、深部、浅部、肛門の出口に近い部分)に注射します。
4箇所に注射することによって注射の成分が痔核に素早く浸透します。切らない治療で外科治療と同程度の効果が見込めますが、副作用として血圧が低下したり脈が遅くなったり、発熱、痛みや腫れやなどの症状が出ることもあるので、入院しての資格をもった専門の医師にしっかりと経過を診てもらうことが大事です。

輪ゴム結紮法

 輪ゴム結紮器という器材を使い痔核の根元の部分に輪ゴムをかけ血流を止め、内痔核を懐死させる方法です。内痔核だけ脱出していて大きさにも制限がありますが、肛門に傷が出来ないので術後の痛みや、排便時の痛みが痔核根治術より軽度であるなどのメリットがあります。

 

痔核根治術

痔核根治術は全ての内痔核を治療できるオールマイティで最も基本的な治療法です。内痔核の根元まで剥離し、切除する際に出血しないようしっかり血管を縛ってから内痔核を切除します。その後肛門内の皮ふを縫合して、経過を見ていきます。7日目までは傷を治す準備期間で傷の大きさが変わらないので排便時やあててある綿に出血があります。その後14日で約80%が治り術後約3週間で傷が治ります。

痔核根治術では動脈を縛って切除するのでまれに晩期出血という下痢上の大量出血を起こす場合があります。必ず止血が必要であり、経過をしっかり見守ることがとても大事になってきます。

外痔核

外痔核の多くは、内痔核とは異なり、肛門の外側の静脈で起きている病気です。ストレスなどで血流が悪くなっているところで、便秘・下痢・腹圧がかかる、重い物を持つなどといった状況が重なって血栓ができ、腫れて痛みます。
内痔核のように中に押し込むことはできませんが、消炎鎮痛剤の坐薬や入浴などで腫れは引きますので痛みもだんだん軽減しますし、血栓も自然に溶けて吸収されていきます。
ただし痛みが特に強い場合、また血栓が親指大よりも大きくなっている場合などは、局所麻酔の上で血栓を摘出する手術を行います。外来の手術で痛みは取れますので、入院する必要はありません。

あな痔(痔瘻)

あな痔(痔瘻)は、痔瘻根治術が必ず必要です

あな痔は痔瘻(じろう)と呼ばれるもので、肛門周囲膿瘍になった際に患部を切開・排膿したにもかかわらず、感染原因である肛門腺が残っているので完治せず、トンネル(瘻管)ができてしまっている病気です。
もちろん肛門周囲膿瘍を切開・排膿すれば必ず起こるというものではなく、7割程度はその後、何の症状も起きません。痔瘻を完全に治すには原因と瘻管を除去する痔瘻根治術が必要ですが、切開・排膿をしたからといって必ず痔瘻根治術が必要なわけではありません。
また手術後、6割程度はその後最初の排便から痛みがなくなっており、4~5週間で治癒します。

切れ痔(裂肛)

切れ痔(裂肛)は、便の調子を整えることで治ります

切れ痔(裂肛)は、硬い便を排泄したり、また下痢のときに肛門に傷がついてしまって起きる病気です。
つまりは便の調子が悪いために起きるもので、便の調子を整えれば自然と治ります。
ただ排便の調子がよくても、裂肛を繰り返してしまい、そこから肛門ポリープなどが出来て慢性裂肛になって痛みが取れない場合は裂肛根治術が必要です。
この手術(裂肛根治術)は排便時の痛みをとることが目的ですから、痛みが強い人ほど「最初の便が楽に出た」とホッとされています。1泊2日の入院手術で治療し、1週間~10日ほどで治癒します。

TEL:075-441-4303